主君の仇討ちへの参加を望んでいた薩摩権五兵衛（中村賀津雄）は、芸者の小万（三条泰子）に魅せられ、挙句の果てに彼女を身請けするために仇討ちの資金100両の大金を持ち出してしまった。しかし、彼女には夫・三五郎（唐十郎）も子どももいることがわかり、激昂した権五兵衛は小万と乳飲み子を殺害してしまうのだが……。
実験映画界の雄・松本俊夫監督の劇場用映画第2作。鶴屋南北の歌舞伎狂言『盟三五大切』をもとに、人間の情念と怨念のどす黒い発露が壮絶なタッチで描かれている。ストップモーションを効果的に用いた映像技法も興味深く、赤ん坊まで殺してしまうクライマックスの修羅場シーンは凄惨の一語に尽きる。中村賀津雄（現・嘉葎雄）の文字通り鬼気迫る名演も大いに見どころのひとつである。（的田也寸志）
内容（「キネマ旬報社」データベースより）
記録映画やラジオドラマを手掛けてきた松本俊夫監督作品を集めた『松本俊夫全劇映画』より、鶴屋南北の有名狂言を基に描いた『修羅』が単品リリース。凄惨な怨念劇をリアルかつスタイリッシュに描いた異色時代劇。
内容（「Oricon」データベースより）
鶴屋南北の狂言「盟三五大切」をもとに、主人に必要な金を工面するために、主人とは知らずにその本人から金を騙し取ってしまうことから起こった壮絶な怨念劇を描いた作品。
レビュー
監督・脚本: 松本俊夫 撮影: 鈴木達夫 美術: 朝倉摂 編集: 岩佐寿枝 出演: 中村嘉律雄/唐十郎/三条泰子/今福正雄/田村保
-- 内容（「CDジャーナル」データベースより）
