ＷＯＷＯＷで、放送していた連続ドラマＷ「造花の蜜 」が、昨晩最終回を迎えた…連城三紀彦原作の同名小説を映像化したサスペンスだけど、原作は未読。及川ミッチーの嫁さんで、元宝塚女優の檀れいが、男をだまくらかして犯罪に加担させる魔性の女を演じている（ＷＯＷＯＷのドラマ、魔性の女系の話が好きだなぁ）。共演に田辺誠一、玉山鉄二、国仲涼子、谷村美月など。全4話と、連続ドラマＷにしちゃ、ちょっと短めな印象…オイラは1話から3話までをＨＧモードで録画し、最終回のみＤＲモードで録画して、25ＧＢのＢＤ-Ｒ１枚に焼いてコンプ。
父親が印刷工場を営む実家に、息子の圭太と共に出戻って来た小川香奈子…その日も、普段と変わらない穏やかな日だったのだが、下校時刻を過ぎても、圭太が学校から戻ってこない事に不審がる。印刷工場の従業員・川田も一緒になって近所を探してくれたのだが、結局、見つからない…。やがて、誘拐捜査のスペシャリストである警視庁の橋場有一警部と部下の刑事たちが小川家に集結、そこに犯人と思われる女から電話が入る！その女は、決して“身代金”という言葉は使わず、遠回しに金を要求してきたのだが…。
誘拐のターゲットにされた親子にも色々と秘密があり、その辺が事件に深く関わってくる…。この誘拐事件と同時に、國村隼扮する別の人物にも同時に脅迫電話がかかっており…いったいどういう関連があるのか、興味をそそる。当初、国仲涼子扮する母親の別れた旦那というのが、なんだか訳ありみたいだから、てっきり國村隼がその相手なんだとばかり思っていたのだが…そういう関係ではなくて、別れた旦那は、また別にいた。はて、二つの事件はどこで繋がるのだろうか？第１話のクライマックス、身代金の受け渡しはかなりスリリングだ。
事件を画策した中心人物、蘭という水商売出身のおねーちゃんが、完璧に警察を手玉にとるのがなかなか爽快…警察どころか、共犯者でさえ騙す、ホント悪い女なんだよね～。１話の途中で、共犯者の正体なんかもある程度目星がつけられるのだが…そのあたりは、その後、あっけなく判明する。２話目に入ると…蘭と共犯者の接点が克明に描かれていくわけなんだけど…そこで、同時進行していた別事件がピタリと重なり、意外な新事実が判明する。恥をかかされた警察が、その共犯者を手掛かりに、主犯の蘭をなんとか見つけようと躍起になる…。
１話、2話あたりの印象だと、国仲涼子や玉山鉄二が話を動かすのかなと思いきや、檀れい演じる蘭の次に重要なキャラクターは、実は田辺誠一扮する橋場警部。ぶっちゃけ、蘭ＶＳ橋場がストーリーの要になっていく。そして最終回だけど…蘭が引き起こした誘拐騒動から１年後、犯人逮捕に至らないまま再び新たな事件が起きる！前半でチョイ役で出ていた谷村美月がまさかの再登場で、今度のターゲットはその家族。で、何故か山梨で起きた事件なのに…警視庁刑事の田辺誠一が再び乗り込んでくる。
ここで、最初の誘拐事件の焼き直しみたいな展開があるんですけど…最終回に関しては、オチは簡単に見破れましたね。ただ、蘭が犯罪を犯そうというきっかけになる過去のエピソードなんかも、最終的に明かされるので…そんなところで、つながりがみたいな…驚きはちょっとある。様々な男を手玉にとる魔性な女だけど、同じ連続ドラマＷで、東野圭吾の「幻夜」に出てきた深キョンの方が、インパクトのある悪女っぷりだったな。ちゃんとセックスで男を虜にしてたし…檀れい、だと全体的に優雅で小奇麗な印象で、悪女になりきれてないなぁって部分も。
監督：小林義則
出演：檀れい 玉山鉄二 国仲涼子 國村隼 田辺誠一 谷村美月 螢雪次郎 野間口徹 伊藤裕子
